「AIを使いました」だけでは足りない。作品に人の仕事を残す時代へ
AIを使った制作物で、人が作った部分、AIが補助した部分、人が確認した部分を10分で記録する実務ガイドです。
結論
これから作品の価値を分けるのは、AIを使ったかではなく、「最後に何を人が決めたか」を説明できるかです。
豪州の主要音楽ランキングは、AIが中心を作った楽曲を対象外にし、人が中心でAIを補助に使った作品は残しました。AIに任せた部分と、自分が引き受けた部分を言えない人が不利になる。そんな流れの始まりかもしれません。
読者への影響
チラシや動画でも、「AIをどこに使い、誰が確認したか」を聞かれる場面が増えるとW.coは予測します。
今日の一手
制作物を一つ選び、「人が作った」「AIが補助した」「人が確認した」の三行を残します。
ニュース概要
オーストラリアレコード産業協会(ARIA)は8月25日、新基準を発表し、8月31日付のランキングから適用しました。完全AI楽曲は対象外ですが、人が中心でAIを補助に使った楽曲は対象です。
何が変わるのか
主な歌声や中心の楽器をAIが生成した作品は「AI生成」。人が曲を書き、歌や演奏を担い、AIを一部に使った作品は「AI補助」です。音量調整や音の分離など、制作工程でのAI利用も認められます。線を引くのは道具の名前ではなく、作品の中心を誰が担ったかです。
身近な例に置き換えると
例えば、道場の大会を紹介する短い動画を作るとします。
AIは候補映像や字幕案を出せます。しかし、「負けた後に仲間へ声をかけた場面を残そう」と決めるのは人です。子どもの顔、音源の権利、日時を確認するのも人です。
近い将来、提出時に「映像や声はAI生成か」「どこに使ったか」と聞かれるかもしれません。完成品しかなければ説明に困りますが、三行のメモがあれば人の判断を示せます。
この先に起きそうなこと
ここからはW.coの予測です。
まず1年ほどで、コンテストや委託制作の提出物に、AIの使用箇所を尋ねる欄が増える可能性があります。「あり・なし」ではなく、文章、画像、声、編集のどこに使ったかを答える形です。
その先は、短い制作記録も一緒に渡すことが普通になるかもしれません。「誰が目的を決め、AIが何を補助し、誰が公開を決めたか」が作品の来歴になります。
評価されるのは、手作業の多さではなく、判断を引き受けた跡です。「ここはAI、ここからは私」と言える人が信頼される。私はその方向へ進むと見ています。
10分で試す
制作物を一つ選び、次の三行を書きます。
- 人が作った: 目的、相手、中心となる表現
- AIが補助した: 構成案、言い換え、字幕や配置の候補
- 人が確認した: 事実、権利、個人情報、公開可否
結果の確認方法
公開を決める人の名前か役割を書けば完了です。別の人が、人の仕事を説明できれば合格です。
中止条件
権利、同意、公開責任者が分からない場合は公開を止めます。
注意事項
これは豪州の音楽ランキングと音楽賞の基準で、日本の法律や各サービスの共通ルールではありません。ランキング対象外は配信禁止や著作権侵害と同じ意味ではなく、対象になっても素材の権利が自動で認められるわけではありません。
事実と分析の区別
ARIAの適用日、AI生成とAI補助の区別、対象範囲、音楽の具体例は公式発表と報道で確認した事実です。
確認欄、制作記録、人の判断が評価される将来像は、ARIAと国際原則から考えたW.coの予測です。日本も同じ基準になるとは断定していません。